① 腰 痛(66歳・女性)


慢性腰痛と漢方

 市内在住の66歳、専業主婦の方です。約1か月程前の朝方布団を持ち上げようとした瞬間、腰をハンマーで叩かれたような激痛が走り、思わずうずくまってしまいました。

 

 病院では骨粗鬆症と言われたそうです。投薬とリハビリで幾分回復はしましたが、いまだに長時間歩いたり、立ち続けることが出来ません。

 

 骨粗鬆症は本来、骨の老化と言われています。現代医学において、原因は運動不足、ホルモンバランスの崩れ、カルシウム不足等と言われています。

 一方漢方では、「腎は髄をつかさどり、骨を生じる」と言い、一般に腎を補う治療が老化を防ぎ、骨や足腰の強化につながると考えます。

 

 ご婦人の病状は日増しに深刻で、日常の台所の仕事もままならず、ほぼ1日こたつにこもりっぱなしです。

 

 動けなくなってからは、余計に物忘れが進み、一日中、頭がぼーっとしている様だとのことです。開業当初から、ご主人が漢方相談で度々来店していたことが御縁で、この度奥様をご紹介頂きました。

 

 ご婦人は幼少の頃より細身で、やや寒がりな方です。しかしご自身の養生と、ご家族を始め環境に恵まれたせいか、出産以外これまでの間、入院やこれといった大きな病気もなかったそうです。

 

 しかし、今回の腰痛を機に、急に老け込んでしまったみたいだと、ご主人は大変気に病んでおられました。

① 漢 方 薬


 ご婦人には、腰と体の要でもある「腎」を補い、主に下半身の血流を助ける目的で、漢方の独活寄生丸(どっかつきせいがん)と田七人参(でんしちにんじん)を服用して頂きました。

 

 約2ヵ月ほどで、なんとか身の回りの家事をこなせるようにまでに回復していました。

 長年連れ添った奥様を、これ以上老け込ませないために、これからも漢方薬を「お守り代わりに飲ませたい」と、ご主人からご依頼を頂きました。

 

 共白髪を誓われた、昔から大変仲の良いご夫婦のようで、これからも二人三脚、いつまでもお元気でいてくださいネ。