❶ 腰痛


体の要の痛み 腰痛と漢方薬

 腰という漢字は、肉月に要(かなめ)と書きます。文字通り、人体にとっての要で、立つ、座る、歩くなど基本動作の中心です。腰痛は人間が二足歩行になった時からの宿命で、腰痛を経験せず一生を終わる人はいない、とも言われます。

 

 さて、腰痛とは腰の痛みの総称ですが、原因の分かるものは、わずか15%にも満たないそうです。腰は5つの腰椎と、椎間板、靭帯、筋肉から構成されます。腰痛は、周辺に何らかの異常が発生して起こります。

漢方薬 補肝腎 強筋骨

 相談者さまの中にはヘルニア、ぎっくり腰、脊椎すべり症、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症などの診断を受け、現在治療中の方もおります。

 一方、原因不明の腰痛に長年苦しみながらも、その場しのぎの痛み止めや湿布だけでなく、根本的な対策を求め、漢方薬局を訪れる方も少なくありません。

 

 漢方では、腰や関節などの痛みを「痺証(ひしょう)」と呼びます。この痺とは「詰まって通じず」といった意味があります。漢方では、気・血の流れが滞る原因を、体の外部と内部の主に2つに分類します。

椎間板ヘルニア と 漢方薬

 外部要因として、例えば体を冷やし血行不良を招く風、寒、湿の邪気があります。一方、内部要因としては、過労やストレス、慢性病等に起因する 気虚、血虚、腎虚、又 瘀血(おけつ) などがあります。  

 

 痛みの悪循環を招く内外の要因を総合的に判断し、痛み克服の主軸となる漢方薬をご一緒に探して参ります。

 また、一般に慢性腰痛の場合、原因が一つに限らず、複数重なり合うことも多々あります。回復の経過に応じ、漢方薬と併行して、食事・運動・入浴・睡眠など、生活習慣の見直しも同時に行う必要があります。

 

 漢方薬との出会いが、腰痛で長年苦しむ皆様にとって、大きな救いの一手となれば幸いです。 

腰痛と漢方薬