アトピー性皮膚炎を代表とするアレルギー疾患は、命をおびやかす程の重病とは言えません。しかし、繰り返す痒みや熱感は、仕事や学業などの日常生活に大きな弊害をもたらします。
また、慢性炎症による患部の赤みやただれ、その他皮膚症状は、当事者にとっては多大なストレスです。不安やイライラ、無気力など心理面の苦痛も重なり、生活の質を極めて低下させる病気とも言えます。
そうした中、ステロイド薬を中心とした、現代医学の治療に疑問や限界を感じ、漢方や自然薬を求め、訪れる患者やご家族が、近年増加の一途にあります。
漢方・中医学では、皮膚が内臓と密接な関係を持つことから、『 皮膚は内臓の鏡 』と言われています。
アトピーを始めとした皮膚病は、漢方では主に内臓の弱りやアンバランスが原因と考え、漢方薬に加え、日常の食事や睡眠など生活習慣も含めた総合的な対策が求められます。
→ 漢方体験記 アトピー性皮膚炎
思春期のみならず、近頃では大人のニキビの相談も増えております。
頬からアゴの下にかけてできる(下図のC・Dタイプ)のニキビで悩む30~40代の女性も多く、これらは一般に生理周期に伴って変化します。
睡眠不足や食習慣の乱れ、およびストレスの関与なども一部には認めますが、根本はホルモンバランスの失調が主たる要因となります。
漢方では、ホルモンや内分泌などを司るとされる「腎」の調整を中心に行います。また、必要に応じて血液中の老廃物(瘀血:おけつ)を洗い流し、内側から肌のバリア機能の回復を促します。