30年以上鉄道関連の会社に勤務し、間もなく還暦を迎える、50代・男性のご相談です。
約8年前、会社の健康診断で、糖尿が見つかり現在も通院、服薬中である。これまで好物の塩辛い物も極力控え、本人なりに食事には気を付けてきた。
近頃、以前にも増して足腰が重だるく、近所の用事でも歩くのが億劫で、車頼みの生活を続けている。
会社仲間から趣味のゴルフに誘われるも、パスしがちで、ここ数年旅行他、外出の機会もめっきり減った。
伸長は小柄のわりに、足だけ象のように浮腫んで太く、小さい静脈瘤が左右に数か所、青黒く浮き出ていた。
主に下半身の血流改善薬( 芎帰調血飲 第一加減 )と、水分代謝を促す漢方薬( 九味檳榔湯 )の2種類を、朝と晩、まずは2週間分ご案内致しました。
3週間を過ぎた頃、再度ご連絡を頂き、胃腸などのトラブルも特別なかった模様である。その後ちょいちょい飲み忘れながらも、同処方をトータルで、約4ヶ月分服用頂いた。
その間来店の際は、毎度自覚症状と足の様子を確認し、薄紙を剥ぐように、毎回1~2割位ずつ軽減していったように思う。
間もなく、開始5か月が過ぎようとしている現在。体重は1.5キロ程しか減っていないそうだが、以前と比べ随分と下肢のだぶつき感が薄れ、足首周辺のくびれが、はっきりとしてきた。
そして気になる静脈瘤は、まだ一部残る箇所はあるものの、当初程の隆起はなく、青黒さもほとんど目立たぬ所まで、薄れてきている。
今回、下肢の血流改善用として、ご案内した漢方薬の説明文書には、生理不順や産前産後の不調など、女性の血の道症にしか触れていなかった。
この種の漢方薬を、経験的に他の瘀血症状に応用する際、特に中高年の男性への説明には毎度苦慮する。
同類の瘀血改善薬に、打ち身(打撲傷)の記載があり、これらを明示するも、やはり今回のご相談者様も、最初は半信半疑でした。
週数を重ねながら効果を実感し始め、足取りも軽く少しずつ行動範囲が広がっていったようです。(効能云々の不安と疑問は、次第に氷解していったようです。)
リタイア後は、ともあれ健康が第一。ご本人曰く、メタボやロコモ予防にも心を改め、出来るだけ車に頼らない生活へ、今後シフトしてゆきたいとのこと。